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Jet Pressが牽引するインクジェット方式のB2枚葉印刷機は、後加工機を含めた実稼働デモが行われ、すでに実用的な生産設備であることが示された。今回のdrupaでは、あらたにB1サイズのデジタル印刷機がパッケージ向けに提案された。まだ技術展示やコンセプト展示も多い中、HEIDELBERGと富士フイルムが共同開発した『Primefire
106』、Landaと小森が共同開発したナノテクノロジー機は、実稼働デモを行って注目を集めた。いずれも発売までには、1年以上の期間が必要であるとのアナウンスであったが、今後の進展が引き続き注目される。
輪転方式のインクジェット印刷機は、1200dpi仕様の機種が各社より出揃い、これまでのトランザクションプリントやDM中心のアプリケーションから、カタログや雑誌など商業印刷への用途拡大が提案された。
また、液体トナー方式のHP Indigoは、1600dpiの解像度を持つ『Indigo 12000』とB1サイズロール機『Indigo 50000』が追加され、いずれも実稼働デモが実施されていた。 |
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オフセット印刷分野では、LED-UV/H-UV機による紙器パッケージを意識したデモが多く見られた。また印刷機械の状況を各種センサーで監視し、インターネット経由で収集することで、印刷機の運用状況やトラブルの予兆把握などを行うIoTシステムが各社より展示されていた。CTP版は、UV適正のある無処理版やケミカルフリー版が主要メーカーから出展された。
フレキソ印刷分野では、大版化に対応する製版工程の自動化・印刷工程のスリーブ交換やアニロックス交換の自動化が進んでいる。環境安全対応の動きとして、刷版では溶剤現像からサーマル現像や水現像へ、インキは溶剤インキから水性インキやEB(エレクトロビーム)インキへの移行が進みつつある。 |
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後加工機は、デジタル印刷機との親和性を高める少部数対応機能の進展と、高速化がトレンドであった。前者はサイズ・厚みの異なる製本が一冊単位で混在しても対応できる後加工機の出現により、マスカスタマイゼーションが可能となった。後者は後加工機の高速化とセットレスによる高効率化によって、製造コストの低減を訴求していた。
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クラウド化とITを活用したトータル生産管理がトレンドである。インターネット上にあるサーバを活用するクラウド化は、自社サーバの設置・維持コストを抑制しつつ素早くサービスを開始することができ、今回のdrupaでは、実用的なクラウドサービスが提案された。また、機器情報をITインフラを通じて収集・活用することで、よりタイムリーな生産管理を実現する展示も目立った。一方、Web
to Printは、プリプレスメーカーや大手ソフトベンダーから、カスタマイズができるベンダーの出展に移行した。 |
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インクジェット分野では、生産性向上のためのシングルパス印刷に対応したプリントヘッドバー化と商印・ワイドフォーマット以外の分野における新たなインクアプリケーションの提案が多く見受けられた。
シングルパス印刷に対応したプリントヘッドバーは、富士フイルム・Xaar・EPSONの各社から出展された。富士フイルムの高画質ヘッドSambaプリントヘッドバーは、業界で高い評価を得、複数の主要デジタル印刷機器に搭載されている。また、新たなインクアプリケーションの提案では、インクジェット用途拡大に伴い、パッケージ関連の印刷・加工システムが各社から出展されている。軟包装用途では、液体トナー・UV方式の他、環境適性を考慮した水性インクが富士フイルムや花王から技術発表されている。 |
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